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機械学習で変革するショッピング体験

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CI&T
10/18/2018
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本稿はCI&Tグローバルの記事を翻訳したものです。

父の日、母の日、誕生日など、プレゼントを用意する機会はたくさんありますが、いつだってプレゼントを選ぶのは簡単ではありません。その一方で、米国には消費者の目に止まろうとしているオンラインショップ提供企業が25-30万社もあります。もう旧来的な販売店のことは忘れましょう。このような状況で、どうやって消費者は稼いだお金の使い先を選んだら良いのでしょう?また、2017年に閉店した6,700店もの小売店舗の崩壊を追うのではなく、小売業者はどうしたらよりパーソナライズされたショッピング体験を提供できるのでしょう?

そうです、小売業は難しい時代に直面しているのです。

 

機械学習の事例:生花販売サービス「1-800-Flowers.com」

昨今の小売業の危機的な状況と、オンライン訪問者を顧客に変える挑戦を考えると、ショッピング体験を盛り上げる大きな可能性を秘めたソリューションの1つが機械学習です。たとえば、誰かのために花を購入したいとします。あなたはよく考えられた何かを送ろうと思っていますが、間違って受け止められることも心配しているかもしれません。もちろん地元の花屋で相談すれば、きっと色々な商品を紹介してくれるでしょう。しかし、その時間がありますか?そうではなく、ぴったりの贈り物を「オンライン」で注文できたら、最高ではありませんか?

そのように考えた生花販売の 1-800-Flowers.com は、2016年にGifts When You Need(通称GWYN)というサービスの提供を開始しました。 AIコンシェルジュのようなGWYNは、まずあなたが贈り物をあげたい人についていくつか質問をすると、他の似たユーザーの購入履歴に基づきパーソナライズされたレコメンドを提供します。重要なのは購入する都度、GWYNが利用者の欲求とニーズを学習し、レコメンド内容に反映される点です。CEOのChris McCannによるとリリースから2ヶ月以内に、オンライン購入の約70%がGWYN経由となりました。

これは、機械学習がデータの海原を活用する無数の方法の一例に過ぎません。ユーザーがサイトに来訪するたびに、新たなデータポイントが作成されます。何百万ものデータポイントをデータモデルに投入することを想像してみてください。これは顧客の理解を深めるだけでなく、スケーラビリティを持って適切なタイミングで適切な製品を提供するのに役立ちます。

 

ファースト・パーティー・データと事前訓練モデル

機械学習の概念は単純です。統計的手法を使用することで、プログラムは明示的にプログラムされなくてもデータを「学習」する能力を持っています。 「学習する」とは、プログラムがより多くのインプット(データ)を受け取ると、より正確な出力(贈り物のアイデアなど)を提供することができます。

機械学習の力は、私たちが知っているショッピング体験を完全に変える可能性がありますが、それは巨額予算を持つ大企業だけのものではありません。会社の規模や予算にかかわらず、機械学習はすべての小売業者がビジネスに適用し始めることができるものです。

ここで、既に確立された事業があり、膨大なデータが眠っている場合を考えてみましょう。データが多いほど機械学習の精度は高まるので、このような自社データ、もしくはファースト・パーティー・データを機械学習の学習モデルに供給することができます。金融取引でも、顧客との通話内容でも、これらデータでモデルを訓練し最適化でき、顧客に価値を提供する方法についてユニークな洞察を得ることができます。

逆に、大量のデータがない場合は、クラウドで提供されている既存の機械学習モデルを利用して、すぐに機械学習のプロになることができます。例えば、GoogleのCloud AutoMLは、機械学習の経験が少ない開発者でも簡単に利用できる機械学習プロダクト群で構成されています。

画像認識モデルなら画像に含まれる内容を理解できます。画像を入力するとそのカテゴリをテキスト情報として取得できます(「自動車」、「エッフェル塔」など)。このモデルは、画像内の物体、顔、または印刷文言を判別することもできます。

CI&Tではこれを活用し、ある顧客のために請求書の自動識別システムを提供し煩雑な請求処理を効率化しました。一部の請求書には社名の代わりに企業ロゴが掲載されている場合があり、これをCloud Vision APIのロゴ検出ツールを使い識別システムのモデルを訓練することで社名を特定し、請求書の処理精度を向上できました。このような反復作業に費やす時間を削減することで、企業がより価値の高い活動に集中できるようになるのを見ることは、常に素晴らしいことです。

また、テキスト分析モデルを活用することで、文章の構造と意味をより深く理解することができます。また、ニュース記事、ブログ、チャットなどのテキストから、人物、場所、イベントに関する情報の推測にも役立ちます。音声認識モデルで、音声をテキスト変換することも可能です。

強力な動画解析モデルは、動画内のオブジェクトを識別し、個々のショットまたはフレーム内で何が起きているかを伝えることが可能です。

 

氷山の一角

機械学習ソリューションを活用したい小売業者は、サプライチェーンに活用することで、予測と受注を向上させることができます。 ショッピング体験のパーソナライズについては既に説明しましたが、季節、在庫、または関連要因に基づいた価格戦略の最適化についてはどうでしょう?

これらの例はいずれも氷山の一角に過ぎません。小売業界に革命をもたらすだろう機械学習の潜在的な可能性は巨大です。

 

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